環境・設備 / CPC DX支援

環境モニタリングと設備データの収集

環境と設備の記録は、点検表・監視盤・測定機器と出どころが分かれています。測定値をどこから取得し、どこに残し、しきい値を超えたときに誰が気づいて何を記録するかを決めます。

測定するものと、値が出てくる場所を分けて書き出す

環境と設備の記録は、点検表・監視盤・測定機器・試験結果と、出どころが分かれています。まず「何を測るか」ではなく「その値がどこに出てくるか」で一覧にすると、収集方法が決まります。

測定対象と出どころの整理例
対象測定するもの値が出てくる場所確定するまで
作業区域の空気浮遊粒子、浮遊菌、落下菌、付着菌粒子計数器の出力、培地の判定結果粒子は即時。菌は培養後に確定
区域の状態室間差圧、温度、湿度監視盤、データロガー連続的に取得
培養設備庫内温度、CO2濃度、使用状況機器の記録出力、外付けセンサ連続的に取得
保管設備冷凍庫の温度、液体窒素の液面監視装置、警報の接点連続的に取得。警報は即時
人の出入り入室者、更衣・手洗いの実施入退室管理、点検表作業ごとに記録

対象と測定の頻度は、施設の清浄度区分と手順書によって決まります。

測定した日と、結果が確定する日が違う

菌の測定は、採取した日と判定が出る日が離れます。採取の記録と結果の記録を別々に扱い、後から結び付ける構造にしておかないと、出荷判定の段階で対応付けに手間がかかります。

  1. 採取・測定日時、場所、実施者、検体の識別を記録
  2. 培養・分析判定までの期間、検体の保管状態を記録
  3. 結果の入力判定結果と判定者を、採取の記録に結び付ける
  4. 評価基準との比較と、必要な場合の調査
菌の測定を例にした流れです。粒子や温度のように連続して取得する測定は、この経路を通りません。

機器から取得する場合

  • 出力の形式(ファイル、通信、接点信号)を確認する
  • 取得の間隔と、欠測が起きたときの扱いを決める
  • 機器側の時刻とシステム側の時刻を合わせる
  • 取得したデータを加工せずに残す範囲を決める

人が入力する場合

  • 入力の単位(測定点ごと、ラウンドごと)を決める
  • 採取者・判定者を利用者単位で記録する
  • 数値の桁と単位を選択式にして表記を揃える
  • 再測定した場合の記録の残し方を決める

しきい値を超えたとき、誰に届いて誰が記録するか

通知の仕組みだけを作ると、気づいた人が対応を口頭で済ませ、記録に残らないことがあります。通知と、対応の記録を一続きにします。

通知の設計

  • 注意と警報の段階を分け、宛先を変える
  • 夜間・休日の連絡先と、届かなかったときの次の宛先
  • 短時間の変動で繰り返し鳴らないようにする条件
  • 通知の送信自体を記録に残す

対応の記録

  • 気づいた時刻、確認した担当者
  • 設備・区域の状態と、行った処置
  • 製造中のロットへの影響の有無と判断
  • 逸脱として扱う場合の起票先

警報の設定値そのものは施設が定める管理基準に従います。システム側では、その値を変更した履歴も残すようにします。

ロットの期間と重ねて取り出せるようにする

環境の記録は、日々の点検のためだけでなく、ロットの出荷判定と、傾向の確認に使われます。この2つは必要な出し方が違います。

出荷判定のとき

  • 対象ロットの製造期間で区切って取り出す
  • その期間の逸脱・警報の有無を並べる
  • 判定時点で未確定の測定結果を示す

傾向を見るとき

  • 測定点ごとに、期間を通した推移を並べる
  • 設備の保守・部品交換の記録と重ねる
  • 基準を超えていない範囲での変化も残す

ロットと記録の結び付け方は原材料と製品のトレーサビリティで、製造記録側の設計は製造記録の電子化で扱います。

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